生理とは、子宮の掃除です。
妊娠に至らなかった場合に、不要になってしまった子宮内膜を経血として体の外へ排出すために、プロスタグランジンというホルモンに似た物質が子宮の筋肉をギューっと収縮させます。

プロスタグランジンの分泌量が多いと、子宮を必要以上に収縮させてしまったり、他の臓器にも影響を及ぼしたりします。
また、冷えやストレスが原因で血管が収縮し、血流が滞ってしまうことで、下腹部痛や腰痛、頭痛などを引き起こしてしまうのです。

痛みは身体のサインです！
痛みがあるということは、身体のどこかが不調であるということなのです！
そのサインを見逃さないで、身体の不調に目を向けてみて下さい。

特に、生理痛がひどい方は、子宮や卵巣の病気が原因となっている場合があります。
月経困難症です。
生理が重くなってきたり、経血の量が増えたかな、という場合は、一度受診してみましょう。

月経困難症は『機能性月経困難症』と『器質性月経困難症』に分類されます。

・定義…骨盤内に器質性疾患はないが、月経困難を伴うもの
・好発年齢…10代後半以降
・特徴…排卵性月経に伴って起こる。
　　　　月経の1～2日目に症状が強いが1日で軽減する。
　　　　子宮頚管の狭小が原因のことがある。
　　　　妊娠・分娩を経験すると症状の改善、消失を見ることが多い。
・治療…消炎鎮痛剤、漢方薬、ピルなどの服用

・定義…子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などが原因となって起こる
・好発年齢…30歳以降
・特徴…無排卵月経でも起こりうる。
　　　月経4～5日前から月経後まで続く持続性の鈍痛であることが多い。
・治療…消炎鎮痛剤、漢方薬、ピルなどの服用、原因となる疾患の治療

器質性月経困難症の場合は、完全に生理痛を消失させるためには、原因となる疾患の治療が必要になりますが、機能性月経困難症であれば、身体の調子を整えることで生理痛の改善も期待できます。
どちらも治療の項目として、消炎鎮痛剤の服用が挙げられていますが、痛みに対する処置であって、痛みの根本にあるものを無くしたり、完治させるものではありません。

そして、生理痛とあわせて、もう一つ押さえておきたいポイントがあります。
痛みは身体からのサインとお伝えしましたが、痛みの原因となる身体の不調がどこかにあるはずです。
身体の不調を見つけるポイントとして、生理の状態から判断できることがあります。
☑経血の色が悪く、黒っぽい
☑レバー状のものや塊が出たり、量が多い
このような症状はありますか？

経血の色が悪く、黒っぽい場合には、排泄不良が起きていると考えられます。
内膜がちゃんと剥がれ落ちておらず、残ってしまった古い内膜が変色した経血となって出てきているのです。

これは、子宮や骨盤の機能が低下している状態です。
冷えが原因で子宮や骨盤周りの血流が悪くなっていたり、子宮の上に位置する内臓（肝臓、腸、腎臓）が疲労して下垂し、子宮を圧迫させたり、骨盤をゆがませたりして、機能低下を引き起こします。

そのため、子宮環境だけを整えれば大丈夫！ということではないんですね。
肝臓、腸、腎臓の負担を減らすことも意識していく必要があります。

レバー状のものや塊が出たり、量が多い場合には、食べ過ぎや脂っこい物を摂りすぎて、排泄しないといけない物がたくさんある状態になっていると言えます。

特に、食べ過ぎは、環境ホルモンを多く摂っていると言い換えられますが、環境ホルモンは、性ホルモンに似た構造を持つため、ホルモンバランスの乱れにもつながります。これもまた、肝臓への負担となります。

また、脂っこい物を摂ると血液がドロドロになり、血流が悪くなるので、経血の量が増えるだけでなく、冷えの原因にもなり、子宮の機能低下も引き起こしてしまいます。

もし経血の色や量について気になるポイントがあるなら、そこから改善していくことで生理痛も軽減できるのではないかと思います。
食事に気を付けたり、冷え対策を行うことで、改善につながる可能性があります。
どのような要因から生理痛が引き起こされているか、一度目を向けてみることも大切です。
子宮や骨盤のゆがみ、内臓下垂が要因となっている場合には、骨盤矯正などを行っている整体院へご相談されてみてはいかがでしょうか。

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