以前に、「排卵誘発剤を使うと卵子の減りが早まりますか?」という質問を受けました。
精子は新しく作られますが、卵子は減る一方ということはご存じでしょうか。 それをふまえて、考えてみると、新しく作られることのない卵子が、排卵誘発剤を使うことでたくさんの育ってしまったら、早くなくなってしまいそうな気がしますね。
排卵誘発剤を使うと・・・
そもそも、排卵誘発剤はどんな時に使用するのでしょうか?
卵胞の発育が悪い場合や、なかなか排卵に至らないなどの排卵障害がある場合には、排卵誘発剤を使うことがあります。タイミング法や人工授精の段階では一つの卵胞が育てば良く、あまり強い刺激を与えることはありません。
ですが、体外受精の時には、できるだけ多くの卵子を一度に採卵するために、排卵誘発剤を使ってたくさんの卵子を育てる方法が一般的です。そして、多い時は10~20個の卵子が採れます。
自然排卵では1周期に1個しか排卵しませんが、採卵で10個も20個も採ってしまったら、卵巣に残っている卵子の減りが早まるのでは?と思うことは自然なことかもしれません。
卵子が減るペースは同じ
でも、大丈夫です!!
排卵誘発剤を使用してたくさんの卵子を育て、採卵したとしても、卵巣の中の卵子の減り方は、自然排卵の時と同じです。
卵子の減り方
そもそも卵子というのは、毎月1個だけ育つのではありません。
1ヶ月に約1000個の卵子が目覚め、約半年かけて育ち、そのうちの1個だけが排卵するのです。
そして、排卵されなかった残りの卵子は、消えていきます。
もう少し詳しく、卵子の減り方について説明しましょう。
卵子のモトとなる原子卵胞は、生まれる前の、お母さんのお腹の中にいるときから持っていて、胎児期では700万個存在しています。けれど、出生時には200万個に減り、思春期には20~50万個になってしまいます。
そして、毎日30個ほど、1ヶ月に約1000個の原子卵胞が目覚め、成長しては消えていくのです。
排卵しない残りの卵胞は・・・
自然周期では、1周期のうちで1個排卵するわけですが、排卵する1個の卵子が決定するとその他の卵胞は黄体となって黄体ホルモンを分泌したり、消滅たりします。
排卵誘発剤を使った場合には、この消えていくはずだった卵子も大きく育つようになるのです。
あくまで、すでに目覚めた卵胞を成長させているだけで、眠っている卵胞を目覚めさせているわけではないのです。ですので、卵子の減りが早まるわけではないので、安心してくださいね。
誘発剤のデメリット
でも、排卵誘発剤などのホルモン剤は、使用量が多いほど、また、使用期間が長いほど、体に負担がかかります。
ですので、薬を使用する場合には、メリットだけではなく、デメリットにも目を向けてみたり、自分の体をいたわることも忘れないで下さい!
それから、排卵誘発剤を使ってたくさんの卵子を育てたとしても、『卵子の質』まで薬の力で良くすることはできません。卵子の質を良くすることができるのは、あなた自身です。あなたの日々の取り組みが、3ヶ月後に排卵する卵子のエネルギーになるのです。そしてそれは精子も同じです。
3ヶ月先の元気な自分自身を思い描いて、楽しみながら取り組んでいきましょう!
もし、ご自身ではどんなことに取り組んだらよいかわからない、という方は、埼玉県上尾市のコンディショニングサロンkamikaにご相談下さい。